新しい本、入りました

2017/11/28

「OWL MOON 月夜のみみずく」
ヨーレン 詩 くどうなおこ 訳 ショーエンヘール 絵
偕成社

1988年度コルデコット賞受賞作品。

◆冬の夜更け、お父さんとみみずく探しに出かけた女の子が見た風景、気持ち、
みみずくの声、見つめ合った瞬間をそのまま丁寧に描いた絵本です。
野生の中で生きる動物との息をのむような出会い、そこに在る2つの世界、
一人と一匹の果てしない距離が一瞬だけ交わります。

「リスとお月さま」
ゼバスティアン・メッシェンモーザー 作 松永美穂 訳
コンセル

作者はドイツの若い絵本作家。
2005年ボローニャ国際ブックフェアのベストイラストレーター展にノミネートされた作品。

◆絵がとても上手で、動物たちの表情、動きが表情豊かな人間のように生き生きと描かれています。お月さまに振り回される動物たちに、その正体を教えてあげたい…。

「ちずのえほん」
サラ・ファネリ 作 ほむらひろし 訳
フレーベル館

イタリア出身の絵本作家。
2015年フェニックス絵本賞受賞作品。

◆世界の見え方を地図に描くとしたら、どんな地図が描けるだろう。

「死神さんとアヒルさん」
ヴォルフ・エアルブルッフ 作・絵 三浦美紀子 訳
草土文化

ドイツ出身の絵本作家。2006年国際アンデルセン賞画家賞受賞作家。

◆ワンピースを着た死神がいつのまにかそこにいて、一緒に池に入ったり木に登ったり、
死神とアヒル、2人だけの時間がゆっくり始まってゆっくり終わっていきます。
チューリップの行方にも注目。

「おねえちゃんにあった夜」
シェフ・アールツ 文 マリット・テルンクヴィスト 絵 長山さき 訳
徳間書店

ベルギーの作家シェフ・アールツが自身の子どもの頃の経験を元に描いた作品。
オランダ・銀の石筆賞受賞作品。2014年ベルギー・ボッケンレーウ受賞作品。

◆ぼくが座る広いテーブル、白い森、たくさんの鳥の影、大きな月、
夜空を走る2台の自転車、一場面一場面が印象に残る絵本です。

「急行『北極号』」
C・V・オールズバーグ 絵と文 村上春樹 訳
あすなろ書房

アメリカ出身の作家で大学では彫刻を専攻。1986年度コルデコット賞受賞作品。

◆クリスマスイブの夜、サンタのそりの鈴の音が鳴り響くのをじっと待つぼくが、
いちばんほしかったものとは。声が聞こえてきそうな不思議な絵も魅力的です。

「MONKEY Vol.3 特集:こわい絵本」
柴田元幸責任編集の文芸誌
SWITCH PUBLISHING

◆ここでしか読めない物語と絵が、いくつか掲載されています。
穂村弘と柴田元幸による「怖い絵本はよい絵本」対談も興味深い。

「ひそませること/あばきたてること:絵本編集の現場から」
澤田精一 著
現代企画室

福音館書店で「こどものとも」「かがくのとも」などを担当、
大竹伸朗「ジャリおじさん」を生み出した編集者が綴る。

◆「ぐりとぐら」「ぐりとぐらのえんそく」の絵の描き方の違いから問うリアリズムとはなにか、表現の定義とその方法論から問う子どもの本の「子ども」とはなにかなど、
独自の視点からの問いがたくさん。
大竹伸朗、スズキコージ、井上洋介との対話も掲載。